NASA、既存宇宙機に対応するKa帯衛星中継技術の開発でAstranisなど3社を選定
NASA selects three companies to develop backward-compatible Ka-band satellite relay capabilities
2026-11-04
NASAは、軌道上で運用中の宇宙機に対応するKa帯の衛星通信中継技術の開発で、Astranis Space Technologies、Global Enterprise Solutions、Viasatの3社を選定しました。既存の宇宙機の搭載システムを改修することなく、通信サービスを継続できるようにすることが目的です。
契約は、官民連携プログラム「NextSTEP-3」の公募に基づく固定価格契約です。初期の契約期間は2026年11月4日から2027年5月3日までで、まず構想の具体化や技術リスクの低減を進めます。その後、NASAが追加オプションを行使することで、軌道上での飛行実証まで進めることができ、2029年まで作業を継続するオプションが設けられています。
各社の契約上限額は以下のとおりです。金額はいずれも将来の全オプションを含むもので、今回の初期作業に対する確定支払額とは異なります。
・Astranis Space Technologies:2億6430万ドル
・Global Enterprise Solutions:3億4040万ドル
・Viasat:4億6090万ドル
NASAは、宇宙側の設備だけでなく、地上設備、打上げ、運用、システム統合を含む一体的な通信サービスの調達を目指しています。民間市場における複数の顧客の1つとしてサービスを利用する方針です。
今回の開発は「NEXUS」と呼ばれ、NASAの追跡・データ中継衛星「TDRS」の段階的な退役に対応するものです。TDRSは、静止軌道上の衛星を経由して、宇宙機と地上局の間のデータや指令を中継するシステムです。宇宙機が地上局と直接通信できる範囲にいない間も、中継衛星を通じて通信を続けられる仕組みとなっています。
NASAは既に、Communications Services Project(CSP)を通じて、商業衛星網を利用する次世代の宇宙通信サービスの実証を進めています。一方、運用中の宇宙機には、搭載機器の改修や、互換性のない通信サービスへの切替えが難しいものがあります。NEXUSは、こうした既存ミッションの通信を維持するための開発です。
公募概要では、従来のTDRS利用機との互換性を持つKa帯中継サービスを、最低15年間提供できる能力の確保を目標としています。また、2029~2031年に高まる通信継続上のリスクへの対応を掲げています。開発は段階的な競争方式で進め、実証結果や技術面の信頼性、商業的な成立性を踏まえて、次段階へ進む企業を絞り込む計画です。
なお、選定されたGlobal Enterprise Solutionsは、SESが2022年に取得し、現在はSES Space & Defenseの一部となっている事業です。
*NEXUS:Network Extension for User Continuity and Sustainability
*TDRS:Tracking and Data Relay Satellite
*CSP:Communications Services Project
【参考】
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TDRS (Tracking and Data Relay Satellite)
CSP (NASA Communications Services Project)
