Northrop Grumman、静止軌道での商業軌道上サービス実施に向けロボット宇宙機MRVをローンチ
Northrop Grumman launches MRV robotic spacecraft to provide commercial in-orbit services in geostationary orbit
2026-07-22
Northrop Grummanは、静止軌道での商業軌道上サービス実施に向けロボット宇宙機MRV(Mission Robotic Vehicle)1機、およびMEP(Mission Extension Pod)3機のローンチを実施しました。打ち上げは2026年7月21日、SpaceX社Falcon9ロケットにより、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地より行われました。打ち上げは成功し、MRVとMEPは今後約1年間で静止軌道へと移動する予定です。民間ロボット宇宙機による軌道上サービスの商業運用は、世界初となります。
MRV(Mission Robotic Vehicle)は、2本の高精巧ロボットアームを搭載しています。MRVは静止軌道上の衛星に対する近接運用(RPO)・ドッキングが可能で、搭載ロボットによる検査(Inspection)、衛星再配置(Relocation)、修理(Repair)、アップグレード、組立て(Assembly)などを行うことが可能です。MRVの2本のロボットアームに取り付けるツールは交換可能で、それぞれ複数のツール、センサ、照明などに対応しています。またMRVは補給モジュールを搭載しており、軌道上で再補給を受けて10年以上の長期運用を行う計画です。
MEP(Mission Extension Pod)は推進装置を装備しており、クライアント衛星に取り付けることで衛星の推進機能を担い、燃料補給を行った場合と同様に衛星寿命延長を行います。静止衛星へのMEPの取付作業は、MRVのロボットアームが行います。MEPの取付けにより静止衛星の運用期間は6年以上伸びる予定です。MRVとMEPは、Northropの子会社SpaceLogistics社が開発と運用を担当しています。
MRVのロボットアーム(RSGS:Robotic Servicing of Geosynchronous Satellites)は、国防高等研究計画局(DARPA)とアメリカ海軍調査研究所(NRL)により開発されました。2024年11月にNRLよりSpaceLogiticsにロボットアームが納入されたことがアナウンスされています。MRVの宇宙機本体とMEPは、Northrop(SpaceLogistics)が担当、官民連携で開発が進められました。DARPAは、RSGSプログラムを今後、アメリカ宇宙軍に移管する予定です。SpaceLogisticsは、MRVを所有・運用し、軌道上で商業サービスとしてロボットアームを使用する権利が付与されています。
Northrop Grummanは、静止衛星の寿命延長ミッションとしては、MEV(Mission Extension Vehicle)ですでに実績があります。MEV-1とMEV-2の2機のサービス宇宙機は、合わせて3機の静止衛星にドッキング運用を行い、衛星運用期間の延長を実現しています。MRVとMEPは、MEVを発展、進化させた次世代サービス機となります。
高度約36,000kmに配置される静止衛星は従来、軌道展開された後はこのようなアップグレードや修理などの支援は無いことが前提でした。このため、高コストなミッションにもかかわらず、燃料切れ、部分的な不具合、ペイロードの旧式化などで運用に支障をきたすことがあり、また逆に長期運用を図るために必要な推進剤や装備が多くなるといった状況がありました。MRVのような多機能な軌道上サービスが発展・普及した場合、このような前提や状況が変わり、静止衛星の開発・運用や経済性も含めた事業環境にインパクトを与えることが考えられます。
【参考】
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【関連リンク】
MEV (Mission Extension Vehicle)
