IHIとKuva Space、ハイパースペクトル衛星コンステレーションの構築に向けた協業に合意
IHI and Kuva Space agree to collaborate on the development of a hyperspectral satellite constellation
2026-07-21
IHIとKuva Space(フィンランド)は、IHIのハイパースペクトル衛星コンステレーション構築に向けた協業に合意、覚書(MOU)を締結しました。今回の合意に基づいて、両社はKuva社のハイパースペクトル衛星データのデュアルユース(軍民両用)での活用検討、衛星コンステレーションの要件定義と日本での事業化、などを検討する予定です。
IHIは、最大24機で構成されるSAR(レーダー)衛星コンステレーションの構築に向けて、Kuva社と同じフィンランドの衛星製造ICEYE社と調達契約を締結しています。今年5月には、このうちの最初の衛星2機が運用を開始したことが発表されています。またIHI衛星コンステレーションは、将来的にはSAR衛星に加えて光学、赤外線、ハイパースペクトル、電波観測(RF)、VDESなどのペイロードを積んだ複数種類の衛星の追加が構想されています。
今回のIHIとKuva社との提携は、このハイパースペクトル衛星追加へのステップとなるものです。IHIは昨年12月には、ハイパースペクトル観測技術および衛星運用能力の向上を図る目的で、超小型ハイパースペクトル衛星IHI-SAT2をローンチしています。また、昨年9月には熱赤外線衛星コンステレーション構築の検討で英国SatVu社と覚書を締結しています。
Kuva Spaceは2016年設立で、ハイパースペクトル小型衛星によるコンステレーションの構築を進めています。現在、6Uサイズの超小型衛星2機(Hyperfield-1A/B)が分解能25mの撮像能力で運用中です。また、開発中の次世代衛星Hyperfield2はサイズが70kgに大型化、分解能15mへと強化され、2027年に打ち上げ開始予定です。
Kuva Spaceのハイパースペクトル衛星データは、2023年に欧州宇宙機関(ESA)の衛星データ調達プログラム Copernics Contributing Missions(CCM)に選定されています。また今年6月にはNASAの民間衛星データ調達プログラム・ Commercial Satellite Data Acquisition (CSDA) プログラムのベンダーに選定されており、ハイパースペクトル衛星データのプロバイダーとして存在感を高めています。同社のハイパースペクトル衛星はオンボードAI処理により雲判定などを行うことが可能で、必要な画像だけをダウンリンクしてデータの迅速納品を実現しています。同社では、ハイパースペクトルデータを用途別に使える形にカスタマイズする、ユーザー向けプラットフォームKuva Senseの提供も行っています。
通常の光学衛星(マルチスペクトル)は、光を5-10の波長帯(バンド)で撮像しますが、ハイパースペクトルセンサは、数十から数百の非常に細かい波長帯の連続スペクトルで地表や物体を同時に観測することができます。このため、物質がもつスペクトル反射特性から、対象物を高精度に識別することが可能となります。地表の土壌成分、樹種も含めた植生分布、農作物の育成状況などがわかるため、森林管理、農業、鉱物探査等々、幅広い用途があります。
【参考】
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