アメリカ宇宙軍、国家安全保障輸送プログラム(NSSL)Lane1のベンダーにRelativity FederalとImpulse Spaceの2社を追加選定

The U.S. Space Force has selected Relativity Federal and Impulse Space as additional vendors for Lane 1 of the National Security Space Launch (NSSL) program

2026-07-08

アメリカ宇宙軍・宇宙システム司令部(SSC:Space Systems Command)は、国家安全保障輸送プログラム(NSSL:National Security Space Launch)のPhase3 Lane1のローンチベンダーとして、新たにRelativity Federal社とImpulse Spaceの2社を選定しました。Relativity Federalは、再使用型ロケットTerran Rの開発を進めるRelativity Space社の子会社で政府・安全保障案件に特化した企業です。
ImpulseとRelativityの両社は、選定に伴い宇宙軍より各500万ドルのタスクオーダーを受領。それぞれ初期能力評価と宇宙軍向けのミッション担保手法の開発を行います。その後、1回のローンチミッションを経て正式にベンダーとして認定、その後の競争調達に参加することが可能となります。

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Credit:istock.com

NSSLは、米国の軍事衛星などの打ち上げを民間より調達するプログラムです。NSSLは現行のPhase3から2つのLaneに区分されています。Lane2は、リスクが許容されない重要ミッションの打ち上げが対象で、SpaceX、Blue Origin、ULAの3社が選定されています。Lane1は新規のローンチャーを含む多数ベンダーにより調達の幅を広げ、柔軟・迅速・低コストなローンチを目指すものです。Lane1はLane2と比較してリスク許容度は高めの位置づけになっています。この2つのLaneの組み合わせにより、増加し多様化する国防案件の打ち上げに対応する計画です。

今回の2社追加選定によりLane1のベンダーは7社となりました。7社は以下のとおりです。
2024年度選定:SpaceX、Blue Origin、ULA
2025年度選定:Rocket Lab、Stoke Space
2026年度選定:Relativity Federal、Impulse Space

Impulse Spaceは、軌道間輸送機Heliosが選定対象となりました。Heliosは低軌道(LEO)から静止軌道(GEO)へ24時間以内の輸送が可能とされています。輸送容量は4トンとなっています。Heliosの初飛行は2027年の予定です。NSSLでロケット以外の機種が選定されるのは初めてとなります。

Relativity Federalの親会社、Relativity Spaceは、新型ロケットTerran Rを開発中です。Terran Rは大型の2段式ロケットで、1段目が再使用/使い捨ての両仕様となります。ロケットの全高86.6m、直径は5.4mで、輸送能力は再使用型で低軌道(LEO)へ23,500kg、静止遷移軌道(GTO)へ5,500kg、使い捨て型ではLEOへ33,500kgと公表されています。1段目・2段目ともに推進剤には液体酸素+メタンが使用されます。Terran Rの初飛行は2026年後半の予定です。同ロケットは、今年5月には2段目機体の統合が完了し、試験設備があるNASA Stennisへ移送されたことが発表されています。

NSSL Lane1の7社のうち、2025年度以降のRocket Lab(Neutronロケット)、Stoke、Relativity、Impulseの4社は、まだそれぞれの対象ロケットの初飛行前となっています。実績を有する企業は指名済みということもありますが、ポテンシャル評価や能力育成などの意味合いを含む選定へと幅を広げ、調達先拡大によるメリット追求が企図されていると見られます。


【参考】

アメリカ宇宙軍

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