Redwire、商業宇宙温室を使用した宇宙農業ミッションを受注
Redwire secures contract for space agriculture mission using commercial space greenhouse
2026-06-04
Redwire(米国)は、宇宙バイオテック企業Astrobiome Space社(ルクセンブルグ)より、宇宙温室を使用した農業ミッションの契約を受注しました。国際宇宙ステーション(ISS)で宇宙温室「Redwire Greenhouse」を用いて野イチゴの栽培を行い、Astrobiome社のバイオスティミュラント(土壌改良材)の効果を実証する計画です。
バイオスティミュラント(Biostimulant)は、植物本来の良好な生理状態をもたらし、気候変動などの環境ストレスへの耐性を高めることで、作物の品質向上や収量の安定化を図る農業資材です。天然由来の動植物抽出物や微生物が主な原料となっています。Astrobiomeのバイオスティミュラントは、宇宙環境に適応した微生物から開発されたものです。なお同社は日本の伝統的な発酵技術を導入しており、日本企業の研究開発パートナーとも協業しているとのこと。
「Redwire Greenhouse」は宇宙での商業作物栽培に向けて開発されたもので、今回が初ミッションとなります。Redwire社はISSで植物栽培装置PONDS(Passive Orbital Nutrient Delivery System)の運用実績があり、Redwire Greenhouseはこの技術を活用したものとなります。同社によれば、これは世界初の商業宇宙温室とのことで、宇宙作物栽培を実験レベルから商業生産レベルへとシフトさせていくことを企図したものです。
このミッションでは、バイオスティミュラントによりイチゴの耐性と栄養価を高め、ビタミンC、カリウム、フラボノイドなどの含有量向上により、宇宙栽培の作物品質を地上の農産物レベルに高めることが成果として期待されています。今回、作物にレタスのような葉野菜ではなく、イチゴ(果実)が選定されており、開花・受粉・果実形成・熟成・栄養価検証、までの一連の実証成果が見込まれます。Astrobiome社は、今年6月に宇宙温室装置を使用した地上での試験栽培を行い、ISSミッションへの準備を進める予定です。
Redwireは、ISSでの微小重力環境を活用した結晶生成装置による医薬品製造で実績があります。2025年8月には、宇宙空間で医薬品開発を行う新会社SpaceMDを設立したことを発表しており、同事業を本格的に推進しています。また同社は、商業宇宙ステーション向けの大型ソーラーアレイでも実績があります。これらと相乗効果がある形で、Redwireは今後、商業宇宙ステーションなどの有人宇宙拠点で新たに宇宙農業の開発も展開していくと見られます。
【参考】
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