H3ロケット8号機打ち上げ失敗の原因究明が完了、今年6月にリターンフライトを実施予定

Investigation into the cause of the H3 Rocket No. 8 launch failure has been completed; flights are scheduled to resume in June this year

2026-04-24

JAXAは、昨年12月のH3ロケット8号機の打ち上げ失敗の原因究明活動が完了し、同ロケットのリターンフライト(飛行再開)を今年6月に行うことを発表しました。JAXAが4月13日に行った原因調査報告に基づいて、4月22日の文部科学省・宇宙開発利用部会で決定、同省対策本部も了承しました。

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Credit: JAXA

H3ロケット8号機は、2025年12月22日に打ち上げが実施されました。ロケットはリフトオフ後、第2段エンジンの2回目燃焼で推力が立ち上がらずエンジンが停止、打ち上げは失敗しました。初期調査では、事故に関して次の見解が示されました。
・1段目飛行中のフェアリング分離時に2段目の衛星搭載構造が破損。
・搭載構造が破損した結果、衛星が2段目機体内に落ち込んだことで水素タンク配管を破損。
・水素タンク圧力の低下(推力低下)につながった。
その後、フェアリング分離時の衛星搭載構造破損、をトップ事象としたFTA(故障の木解析)が展開されました。結果、衛星搭載構造(PSS)の製造工程でPSS接合部に剥離が生じ、フェアリング分離の衝撃により剥離が拡大したことが破損の主要因であると結論づけられました。PSSはお椀を逆さに置いたような形状で、上に衛星を搭載するものです。4枚のパネルを接合して立体構造を形成しています。製造時の剥離の主要因は、接着工程での高温による接着剤の強度低下と特定しました。また多湿な時期による吸湿の影響も示されています。

対策については、PSS接合部に温度や湿度の影響を受けない「ファスナ結合案」(ボルト留め)を用いるか、接合部に樹脂を充填し強度をあげる「補修案」の2つが示されています。どちらも十分な強度確保が可能としていますが、剥離リスクを排除するためにファスナ結合案を基本とする方針です。

飛行再開はH3ロケット6号機で、2026年6月10日の予定です。
H3ロケット30形態は、これまでのH3では使用していた固体ロケットブースターSRB-3を装着せず、液体ロケットエンジンLE-9が3基の構成でリフトオフする新しいタイプになります。6号機が30形態での初打ち上げとなり、試験機であることから性能確認用ペイロード(VEP)と、副衛星として超小型衛星6機が搭載される予定となっています。この6号機では、補修案により強度を確保したPSSを使用する予定です。これにより今回の原因究明の評価を裏付ける追加のフライトデータを取得する意向です。


【参考】

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