国際研究チームと欧州宇宙機関、グラフェンとレーザーによる推進技術を実証

International research team and the European Space Agency demonstrate propulsion technology using graphene and lasers

2026-04-07

国際研究チームと欧州宇宙機関(ESA)は、グラフェンとレーザーを用いた推進技術の実証を行ったことを発表しました。実証は昨年、航空機を用いた放物飛行(パラボリックフライト)の環境で行われました。放物飛行は、自由落下運動により航空機内に一時的に低重力環境を作出するものです。

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Photo Credit: ESA

実証では、宇宙環境を模した低重力下で、真空容器に入れた超軽量のグラフェン・エアロゲルに光(レーザー)を照射しました。結果、グラフェンは光を受けて瞬時に前方に打ち出されました。光の照射で物体を大きく加速させたことになります。空気や重力がある地球環境では、グラフェンは光ではまったく動かせません。宇宙のような真空・無重力環境ではグラフェンを光で動かせることが、確認されました。
グラフェンは、炭素原子がハチの巣状(ハニカム構造)に結合した、原子一層分の厚さしかないシート状の物質です。非常に薄く超軽量でありながら、鉄の100倍の強い強度を併せ持ち、優れた導電性を有しています。この性質から、光が当たることで生じるわずかな力(光圧)で推進することが可能となります。

この技術は、太陽光で宇宙機を推進するソーラーセイル(太陽帆)や小型衛星の姿勢制御、などへの応用が期待されます。これまでソーラーセイルは宇宙空間での実証も行われていますが、グラフェンでの実証はまだ行われていません。ソーラーセイルがもし実用化されれば、宇宙で燃料なしの長期飛行が可能となるため、深宇宙探査機や恒星間飛行での使用が考えられます。
今回の実証は、ベルギーのブリュッセル自由大学と、UAEのハリーファ大学の研究者達が主導したものです。ESAは、グラフェンと光を使用した推進技術を以前から研究しています。2020年には今回と同様、グラフェンに光を照射する実験を100メートルのタワーからの自由落下(低重力)の環境で行い、グラフェンが動くことを確認しています。


【参考】

欧州宇宙機関

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欧州宇宙機関(ESA)


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