NASA、トランプ政権の国家宇宙政策実現に向けて計画の大幅変更を発表

NASA announces major changes to its initiatives to implement the Trump administration’s National Space Policy

2026-03-24

NASAは、トランプ政権の国家宇宙政策(National Space Policy)実現に向けて既存計画の大幅変更を発表しました。2026年3月24日に開催された「Ignition」というイベントで発表されたものです。主要な計画変更の概要は以下のとおりです。

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Photo Credit: NASA /Phase 3 Moon Base concept image

◆アルテミス計画
Artemisミッションに関しては、今年2月に計画変更が発表されています。Artemis 3を新たに追加(変更)、地球低軌道上での技術実証ミッションとし、Artemis 4で月面着陸を実施します。従来はArtemis 3で月面着陸が予定されていました。技術実証ミッションを間に追加し技術成熟度を高める必要性に対応する予定です。Artemis 3は2027年、Artemis 4は2028年実施予定です。Artemis 5からは半年に1回の頻度で月面着陸ミッションを実施する計画で、さらに技術成熟度が上がれば頻度を増やすとしています。

◆月面基地建設
月面へのアプローチは従来、月周回有人宇宙ステーションGatewayを中継拠点として計画され、Gatewayは国際協力プロジェクトとして、欧州宇宙機関(ESA)やJAXAなど宇宙機関・企業多数の参加で開発が進められてきました。しかし変更によりGatewayはいったん凍結とし、月面基地を段階的に建設する計画へとシフトします。
フェーズ1:月面商業輸送サービス(CLPS)を高頻度で実施。ローバーの月面運用などによる実証など技術基盤を構築。CLPSミッションは2027年から最大30回を実施予定。
フェーズ2:初期インフラ確立。有人月面ミッションの反復実施。JAXA/トヨタ開発の有人与圧ローバーなどの国際貢献も活用。
フェーズ3:有人長期滞在。大型の月着陸船HLS(Human Landing System)の運用開始により大型インフラを構築。永続する月面基地を建設。イタリア宇宙機関が開発する多目的居住モジュール(MPH module)や、カナダ宇宙庁のLunar Utility Vehicleなども活用。

Gatewayは現状の形のプランでは保留、という表現になっており、プラン変更でどのように継続されるのかは今後の計画具体化で明らかになると思われます。

◆宇宙ステーション
国際宇宙ステーション(ISS)は老朽化により2030年の退役が決定しており、後継機は民間による商業宇宙ステーションでの運用が計画されています。NASAは、CLDs(Commercial LEO Destinations)プログラムで、米国企業複数に対し商業宇宙ステーション開発を支援してきました。新たな計画では、NASAが所有する新たなコアモジュールをISSに接続・運用を行います。このコアモジュールに民間のモジュールを追加で接続し、ISS退役時にはISSから分離し独立運用に入るとしています。CLDsでは4社が商業宇宙ステーションを開発中で、これらとの整合性については現状不明です。また新たなコアモジュールを開発、ISSに接続し、運用期間を取り、商業モジュールの追加接続を行う場合、ISSの退役は2030年より後倒しとなる可能性が考えられます。今後、計画具体化や契約変更などでこうした点は明らかになる見込みです。

◆原子力推進による火星ミッション
原子力電気推進(NEP: Nuclear Electric Propulsion)装置を搭載した宇宙機Space Reactor-1 Freedomによる火星ミッションを2028年末までに実施。原子力電気推進装置は、原子炉で発電した電力で推進剤をイオン化・加速して放出し推力を得る装置です。長期間の継続的な加速が可能で、深宇宙輸送に適するとされているものです。原子力推進については、これまで長年研究されてきたものですが、具体的な宇宙機の開発は行われておらず、2028年のローンチ目標はスピード開発を要する日程となります。

これ以外に、宇宙望遠鏡などの科学ミッションの継続強化、NASAの人材強化などについても触れられています。新たな計画のそれぞれについて、これから情報公募(RFI)や提案公募(RFP)が行われ、具体化が進む予定です。


【参考】

NASA

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【関連リンク】

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