欧州防衛機関、超低軌道軍事衛星のコンセプト研究を欧州企業コンソーシアムと契約

European Defence Agency awards contract to European consortium for concept study on very low Earth orbit military satellites

2026-03-13

欧州防衛機関(EDA: European Defence Agecy)は、超低軌道(VELO)で運用する軍事衛星のコンセプト研究を欧州企業コンソーシアムと締結しました。契約額は1565万ユーロ。プロジェクト名は「VLEO-DEF」となります。

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Credit : EDA

プロジェクト期間は3年間で、地球超低軌道(VLEO)専用の軍事衛星のコンセプト設計を実施する予定です。スペイン、フランス、ルクセンブルグ、ポルトガル、スロベニアの5か国が資金拠出しています。主契約者はスペインのエンジニアリング企業・SENER社です。コンソーシアムには、同社に加えて、Airbus Defence and Space、Thales Alenia Space、Exotrailなど欧州企業17社が参加しています。

超低軌道は100km~450kmの低高度領域です。地表に近いことのメリットとして、小型衛星の小さいペイロード(低コスト)でも高分解能撮像、低遅延通信が可能になることや、運用後に短時間で軌道離脱し宇宙デブリになりにくい、といった点があります。一方課題は、空気抵抗や重力が比較的強いため、推進装置による高度補償(修正)が多く必要になることや、空中の原子状酸素による機体材料劣化、などが挙げられます。
VLEO-DEFでは、超低軌道のメリットを活かして、VLEO衛星による諜報・監視・偵察(ISR)能力の強化を企図しています。コンセプト研究は軌道上実証の準備、とEDAは明言しています。

超低軌道衛星のミッションとしては、欧州では欧州宇宙機関(ESA)のVLEO衛星実証ミッションSkimsat、米国では国防高等研究計画局(DARPA)のVLEO衛星実証ミッションOtterなどがあります。SkimsatとOtterはともにRedwire社(米国本社、およびベルギー法人)が主契約者となっています。米国のAlbedo Space社は、2025年3月にVLEO衛星Clarity-1をローンチ、軌道上運用に成功しています。また米国で新たに開発された超小型衛星バスDiskSatは、直径1m、厚み2.5cmの空気抵抗が少ない薄い円盤状で、VLEOでの運用に好適な仕様となっています。DiskSatは2025年12月に初ローンチが実施されています。


【参考】

欧州防衛機関(EDA)

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【関連リンク】

衛星・宇宙機製造

防衛・安全保障

EDA (European Defence Agency)

Thales Alenia Space

Airbus Defence and Space

GOMspace

Exotrail

VLEO-DEF

Skimsat (VLEO demo)

Otter (VLEO demo)

Clarity (VLEO衛星)

DiskSat

VLEO(超低軌道)


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