西欧の広範囲で明るい火球を観測、欧州宇宙機関が分析中

Bright fireball observed across wide swathes of Western Europe: European Space Agency currently analysing

2026-03-09

2026年3月8日午後6時55分(CET:中央ヨーロッパ時間)、欧州の広範囲で非常に明るい火球が観測されました。火球は南西から北東方向に向けて落下し、約6秒間強く発光、光の尾を引きながら流れて破裂しました。フランス、ベルギー、ルクセンブルグ、オランダ、ドイツで目撃され、映像も記録されています。現状、人的被害は確認されていません。

article image
Screenshot from ALLSKY7 global network video

欧州宇宙機関(ESA)では情報収集を行い、飛来した物体のサイズを分析しています。現時点では、数メートルクラスの隕石と見られています。同サイズの隕石は数週間から数年の頻度で地球に飛来しているとのこと。さらに小さいものは日常的に落下しているとされています。NASAの調査では、1994年から2013年までの20年間に、1mから20mの小天体の地球衝突は556回観測され、衝突箇所は地球上にまんべんなく分布していると報告されています(観測された回数)。

2013年にロシアのチェリャビンスク州に落下した隕石(チェリャビンスク隕石)は、直径17m程度と推計されています。落下中の上空29kmで大爆発し、発生した衝撃波により建物の窓ガラスやドア多数の破損と、1000人以上の負傷者を出しています。爆発で放出したエネルギーは広島型原爆の30倍と推計されていますが、爆発した高度が高かったため比較的被害が抑えられたと見られます。

6600万年前の地球衝突により恐竜絶滅をもたらした、チクシュループ衝突体は直径10-15kmとされています。直径1km以上の小天体衝突は地球上の生物に壊滅的な被害をもたらすことが予測されていますが、地球近傍のそのほとんどは探知されています。宇宙機関、天文台やスペースガードなどの団体が監視活動に組織的に取り組んでいます。
一方、小さいサイズの隕石は、推計数に対して、その大半が発見されていない現状があります。大規模な破壊をもたらし得る直径30m-100mの隕石でもESAの試算では9割以上が発見されていないとされています。発見率向上に取り組む新たなミッションとしては、NASAのNear-Earth Object (NEO) Surveyorミッションや、ESAのFlyeye望遠鏡などがあります。

NEO Surveyorミッションでは直径約50cmの宇宙望遠鏡で赤外線観測を行い、地球の軌道から3000万マイル以内にある潜在的に危険な小惑星などの天体を発見する予定です。ミッションは5年間の基本調査期間で、140メートル超の未知の地球近傍天体のうち少なくとも2/3を発見するとしています。NEO Surveyorミッションのローンチは2027年9月以降の予定です。

Flyeye望遠鏡は、ESAによる地球近傍天体(NEO)観測用の望遠鏡です。Flyeye望遠鏡は、複眼による広い視野を持つため周辺状況の察知能力が高いハエに着想を得たとのこと。Flyeyeは45度四方の視野があり、1回の露出で満月の200倍以上の範囲の空の領域を撮像可能です。広い視野を生かして地球に接近する小天体の状況を毎晩、自動観測する予定です。Flyeye望遠鏡は北半球と南半球にまたがり、最大4台を設置する計画があります。両半球に設置することで48時間で全天をスキャンできるようになるとしています。


【参考】

欧州宇宙機関

NASA

★ リンクURLは掲載日時点で有効のものです

【関連リンク】

宇宙探査・宇宙活動

公的機関・政府政策

その他宇宙活動

欧州宇宙機関(ESA)

NASA

Flyeye望遠鏡 (地球近傍天体観測)

Near-Earth Object (NEO) Surveyor mission

地球防衛(プラネタリー・ディフェンス)

地球近傍天体(NEO)


△ 一番上に戻る