NASA、アルテミスミッションの構成を変更

NASA revises the structure of the Artemis mission

2026-02-28

NASAは、今後計画されているアルテミスミッションの構成内容の変更を発表しました。
ポイントはまず、アポロ計画以来50年振りとなる有人月面着陸ミッションとして計画されていたArtemis3を、地球低軌道上の技術実証ミッションに切り替え、月面着陸(旧Artemis3)はArtemis 4としてその後実施へと変更されたことです。NASAは変更を新たなミッション追加、としており技術成熟化と安全性確保のために、Artemis2の後にミッションをはさんだ形です。

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Credit: NASA

もう1つのポイントは、Artemisミッションで使用されるSLSロケットの標準化です。SLSはArtemisミッションの進展とともに構成(Block)の派生型が多数計画されていました。この技術上・生産上のリスクを下げるために不必要な変更はなるべく避け、飛行実績があるものを活用しながら、一つ一つ新たな能力獲得へとアプローチする方針へと変える予定です。具体的には、SLS上段の現行Block1構成をなるべくそのまま使用する意向です。NASAはこれをアポロ計画時代の考え方に立ち戻る、としています。
Artemis1は2022年に実施されたOrion宇宙船とSLSの無人試験飛行で、月を周回し地球に帰還しています。現在、ローンチ準備中のArtemis2はSLSロケットとOrion宇宙船の有人試験飛行で、宇宙飛行士4名を載せて月にフライバイを行い地球に帰還します。これは予定通り実施予定です。

追加・変更されたArtemis3は、SLSとOrionを地球低軌道(LEO)で運用し、月面着陸で使用予定のSpaceX社Starship HLS(Human Landins System)、またはBlue Origin社のBlue Moon Mk2(HLS)とドッキングし、統合状態で生命維持、通信、推進系など各種の技術実証を実施予定です。また月面ミッションに向けて開発中の宇宙服(xEVA: new Extravehicular Activity suits)の実証も行われる予定です。宇宙服はAxiom Space社が開発しています。
もともとArtemis3では、月面着陸にStarship HLSを使用予定でした。Blue Moon Mk2は2030年以降のArtemis5で月面ミッションに使用される予定でしたが、この点も変更され、準備状況が進んでいる方、または両方とArtemis3では実証を行う予定としています。Blue Origin社では今年1月、開発リソースを月ミッションに集中するため、有人宇宙弾道飛行プログラムNew Shephardの2年間の休止を発表しています。
これらの検証をはさんでArtemis 4では、宇宙飛行士による月面ミッションが行われます。標準化されたSLSを使用、宇宙飛行士がOrion宇宙船から月着陸船(Starship HLSまたはBlue Moon Mk2)に乗り換え、月の南極付近への着陸を実施します。宇宙飛行士は、ミッション完了後に再びOrionに戻り地球に帰還します。月着陸船には2社のうち準備が完了している方が選定されます。

今回の発表は構成変更の骨子で、SLSの標準化やミッションの詳細については、提携企業・機関とも検討を行い、追って発表される予定です。内容変更されたArtemis 3は、変更前と同じ2027年に実施される計画です。Artemis 4は2028年の予定です。NASAは、これらの変更を反映した新たなアプローチにより、以後毎年1回は月面ミッションを行うとしています。


【参考】

NASA

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