欧州宇宙機関、小惑星Apophisへの探査ミッションRamsesの開発契約をOHB Italiaと締結

European Space Agency signs development contract with OHB Italia for Ramses mission to asteroid Apophis

2026-02-10

欧州宇宙機関(ESA)は、地球に接近する小惑星Apophisへの探査ミッションRamsesの正式な開発契約をOHB Italiaと締結しました。契約額は8120万ユーロ相当。昨年11月のESA閣僚級理事会でのミッション承認により、正式契約に至りました。ミッション準備期間が短いため、これに先行する形で予算を工面し、2024年10月には準備契約を同じOHB Italiaと6300万ユーロで締結していました。両契約の合計で1億4420万ユーロとなります。

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Credit: ESA

Apophisは幅375m程の小惑星で、2029年4月13日に地球からの距離32,000kmを通過すると予測されています。上空32.000kmは、地球の静止軌道よりも低い高度で、この近さで小惑星が地球に接近するのは5千年から1万年に一度の機会とされています。
Ramses(Rapid Apophis Mission for Space Safety)ミッションでは、地球を通過する過程のApophisに探査機と探査機から展開する超小型衛星2機(Cubesat)で近接運用を行います。小惑星が地球上空を通過する過程で、地球から受ける重力の影響で、軌道、回転、形状等にどのような変化を示すのかを詳細に調査します。また小惑星の質量、密度、組成、内部構造、などについても調査を行うとしています。
これらの知見は、将来、地球に衝突するリスクのある小惑星に対する地球防衛(プラネタリーディフェンス)の技術を検討する上で基礎となるものです。

Ramsesの詳細設計審査(CDR)は今月6日に完了しました。今後、探査機とシステムの製造、組み立て、試験へと移行します。Ramsesは、2029年4月のApophisの地球接近に合わせて、2028年4月に打ち上げる必要があります。打ち上げ後、地球への最接近2か月前の2029年2月にApophisに到着する計画です。そこから地球通過の前後の変化を観測します。

Ramsesミッションは、ESAとJAXAの共同ミッションとなっています。JAXAは探査機のソーラーパネルや熱赤外イメージャなどのコンポーネントで貢献するほか、H3ロケットでの打ち上げも予定されています。この打ち上げにはJAXAの小惑星Phaethon探査ミッション、DESTINY+も相乗りで搭載することが検討されています。DESTINY+探査機もPhaethonの前に、最初にApophisへのフライバイを行う予定です。

NASAは、Apophis探査にOSIRIS-APEXミッションを計画しています。OSIRIS-APEXは、小惑星サンプルリターンミッションOSIRIS-Rexの探査機を活用、リネームし新たなミッションを組んだものです。OSIRIS-Rexは米国初の小惑星サンプルリターンで、小惑星Bennuからのサンプルを入れたカプセルを2023年9月に地球で回収しています。OSIRIS-APEXは、Apophisの地表付近でスラスターを噴射し、地表面の岩や砂塵を巻き上げて地表面の下を観測する予定です。


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欧州宇宙機関

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