欧州宇宙機関・閣僚級理事会、223億ユーロの3年予算を承認

European Space Agency Ministerial Council approves three-year budget of €22.3 billion

2025-11-28

欧州宇宙機関(ESA)の閣僚級理事会(Council Meeting at Ministerial Level: CM25)は、2026~2028年の3年予算として 223億ユーロを拠出することを承認しました。
閣僚級理事会は2025年11月27日、ドイツ・ブレーメンにESA加盟23カ国の閣僚・政府高官を招集して開催されました。承認された予算額はESAの要求に近い水準とされ、前回CM22で承認した2022-25予算との対比で、名目31%増加、インフレ調整後の実質17%の予算増、となりました。

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Credit: ESA

ESAは今年3月、2040年に向けての長期的な活動指針となる「ESA Strategy 2040」を発表しています。同指針に基づく初回となる予算承認も取れたことで、新たに各種の取り組みが開始される見込みです。
CM25では、ウクライナ戦争による欧州の安全保障環境や国際政治状況を背景に、ESAの役割としてデュアルユース(軍民両用)の宇宙能力の開発・実装を担わせる方向性が決議に含まれました。世界全体での宇宙予算の50%は軍事用途であるところ、ESAの防衛用途関連予算は15%程度の比率になっているとのことです。新たに「The European Resilience from Space」(ERS)プログラムの立ち上げが発表され、今後具体化が進むと見られます。

宇宙アクセス(ローンチ輸送)、衛星システム構築(観測、通信、測位)、宇宙探査、地球防衛、科学研究、社会実装・商業化など各種の既存プロジェクトはほぼ全面的に推進される見通しです。全体にわたり、国際協力とともに欧州の自律性(autonomy)、他国に依存しない宇宙能力の保持・発展で世界に遅れを取らないことが強調されています。

主要なセグメント別の予算内訳は以下のとおりです。

宇宙輸送:44億3900万ユーロ
科学プログラム:37億8700万ユーロ
地球観測:34億5500万ユーロ
有人探査・無人探査:29億7600万ユーロ
通信:20億9600万ユーロ
基礎活動予算:18億7300万ユーロ
ナビゲーション:9億6900万ユーロ
宇宙安全(地球防衛・宇宙デブリ対策等):9億5700万ユーロ
テクノロジー:8億8600万ユーロ
商業化:3億600万ユーロ
Prodex(科学実験協業プログラム):3億2800万ユーロ

主要な国別の拠出額は以下のとおりです。
ドイツ:50億6700万ユーロ(23%)
フランス:35億9900万ユーロ(16%)
イタリア:34億6200万ユーロ(16%)
スペイン:18億5400万ユーロ(8%)
イギリス:17億600万ユーロ(7%)
ベルギー:11億900万ユーロ(5%)
スイス:7億7100万ユーロ(3%)
ポーランド:7億3100万ユーロ(3%)
オランダ:5億6900万ユーロ(2%)
カナダ:4億800万ユーロ(1%)

また理事会では、ポーランドとノルウェーの2国と、新拠点の設立を検討する基本合意書(LOI)が締結されました。ポーランドでは軍民両用のアプリケーションに特化したセンター、ノルウェーではESA北極宇宙センターの開設が検討される予定です。
また次回2028年の閣僚級理事会の前に、安全保障環境や国際政治など状況次第で必要が生じた場合に、2027年第1四半期の前に臨時の中間理事会を開催することでも合意しました。


【参考】

欧州宇宙機関

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【関連リンク】

公的機関・政府政策

欧州宇宙機関(ESA)

ESA Strategy 2040


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