火星磁気圏調査ミッションESCAPADE、New Glennロケットによりローンチ
Mars Magnetosphere Exploration Mission ESCAPADE launched aboard New Glenn rocket
2025-11-13
NASAの火星磁気圏調査ミッションESCAPADEが、New Glennロケットにより打ち上げられました。打ち上げは米国時間2025年11月13日、フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地Launch Complex36で実施されました。
New Glennロケットは、Blue Origin社が開発した1段目が再使用可能な大型ロケットです。今年1月の初飛行に1回で成功しましたが、この時は1段目による海上回収船Jacklynへの軟着陸には失敗しています。今回のローンチは探査機の軌道投入、および1段目による大西洋上の回収船Jacklynへの軟着陸にも成功しました。
New Glennロケットは、アメリカ宇宙軍(NSSL)の国家安全保障輸送プログラム(NSSL:National Security Space Launch)の内、特に重要な衛星打ち上げを担当するPhase3 Lane2に選定されています。今回のローンチミッションは、NSSLの2回目の認証飛行にもなっていました。今回の飛行評価後に、USSFからのミッションオーダーが2029年度にかけて発出される見込みです。New Glennは全長98メートル、フェアリング直径7メートルの再使用大型ロケットで、地球静止軌道(GEO)に13トン、地球低軌道に45トンの輸送能力を有しています。
ESCAPADEミッションでは、火星に2機の同じ小型探査機(名称:Blue, Gold)を送り、2点同時観測による火星の磁気圏調査を行います。両探査機に搭載される磁場、イオン、電子を測定する機器を使用し、火星磁気圏に対する太陽風の影響を観測します。最初のフェーズでは、2機が同じ軌道上で近接飛行を行い、短時間の時差で宇宙天気環境がどう変化するかを調査します。6か月後の次フェーズでは探査機1機は低高度に移動、もう1機は上昇し、高度差をつけて火星大気上層部と太陽風の同時観測を行います。これにより太陽風に対する火星の反応をリアルタイムで観測します。このミッションで得る知見は、将来の火星ミッションに活用される予定です。
今回の研究ミッションはカリフォルニア大学バークレー校の宇宙科学研究所(Space Science Laboratory)が担当しており、探査機はRocket Lab社と共同で同社の宇宙機をベースに開発されました。今後探査機は、地球と火星が接近する2026年秋まで太陽・地球系ラグランジュ点2(L2)で待機し、それから地球の重力アシストを使い火星に向かいます。2027年秋に火星に到着後、2028年6月より科学ミッションを開始する予定です。
*ESCAPADE (Escape and Plasma Acceleration and Dynamics Explorers)
【参考】
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【関連リンク】
National Security Space Launch (NSSL)
